授業概要
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本科目では、文化的産物としての文学(戯曲)および映画が社会をどのように表象しているのかを考察する。表象(representation)とは、人間が自己や他者、世界を、様々なメディアを使って<再>提示する(represent)行為、また、その行為を通じて生み出されたものを言う。
本科目は2つのユニットから構成されている。前半では、Literary Studiesで用いられる用語、理論、研究方法論を学び、文学言語がどのように社会を表象するかを考察する。後半では、その文学テクストのなかに見出した社会的・政治的関心を、視覚文化のひとつである映画がどのように表象しているかを検証する。両ユニットを通して学際的な(transdisciplinary)アプローチに重点を置き、身近な日常生活(実践)や文化的産物の意味を広範な社会的および政治的文脈の中で検証し、文化における権力の配分と作用を理解することを学ぶ。
Literary Texts, Critical Methods Cでは、ジェンダー、イデオロギー、自己、他者などに焦点を当てる。文学テクストとして『ロミオとジュリエット』、そのアダプテーションとしてラーマン監督映画『ロミオ&ジュリエット』を比較・分析する。その後、学生が映像テクストを選定し、グループで分析に取り組む。
講義は必要最小限にとどめ、グループワークおよびディスカッションを中心とした対話型授業を展開する。
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知識・専門性の到達目標
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・ 文学研究で使用する基本的な用語/語彙に慣れ、それらを的確に使用することができる。【専門能力】 ・ 文学研究の理論および方法論を理解し、戯曲やアダプテーションを社会・文化との関係において考察できる。【専門能力】 ・ 文化的生産物やプロセスの多様な文化的意味を学際的かつ批判的に検証することができる。【専門能力】
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関心・態度・人格の到達目標
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・ 戯曲やアダプテーションを社会・文化との関係において考察し、その社会・文化の日常における課題を発見することができる。【課題発見力】 ・ 日本人学生と留学生がともに学ぶことにより、様々なリサーチを実現していくことができる。【主体性・実行力】
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思考・判断の到達目標
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・ グループワークおよびディスカッションを中心とした対話型授業を通して論理的思考力を修得する。【情報分析力・論理的思考力】 ・ 異なる文献を批判的に読み、その主旨を正確に理解したうえで、関係性を把握し、説明することができる。【創造的思考力】
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実践的スキル・表現の到達目標
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・ グループワークおよびディスカッションを中心とした対話型授業を通してコミュニケーション能力を修得する。【コミュニケーション力】 ・ 個人もしくはグループの考察結果を理解しやすく説得力のあるプレゼンテーション(レポート)にまとめることができる。【コミュニケーション力】【表現力】【チームワーク力】
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授業における「アクティブな知」の要素
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授業形態
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対象
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A:課題解決型学習(PBL)企業、自治体等との連携あり
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B:課題解決型学習(PBL)連携なし
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C:反転授業(知識習得を授業外で行い、知識確認等の要素を教室で行う授業形態)
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D:討議(ディスカッション、ディベート等)
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〇
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E:グループワーク
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〇
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F:発表(プレゼンテーション)
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〇
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G:実習、フィールドワーク
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H:双方向授業(ICT活用なし:対話型、リアクションペーパー等)
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〇
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I:双方向授業(ICT活用あり:クリッカー、タブレット、スマートフォン等)
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‐
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J:講義のみ
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‐
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‐
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授業における「ICTの活用」について
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授業形態
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対象
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A:ノートPC必携
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B:講義資料や授業教材のオンライン配信
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C:レポート課題等のオンライン提出
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D:質問やレポート課題等へのフィードバックにおける学修管理システム (学修支援システム、Google Classroom、Moodle等)の活用
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E:オンラインメディア(映像授業、e-Learning、Open Educational Resources等)の活用
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予習 (事前学修)
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各授業
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各講で指定された資料を熟読し、要点をノートにまとめ、授業に持参する。 予習・課題が不完全なまま授業に出席しないこと。
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[
平均180
]分
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復習 (事後学修)
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各授業
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講義、配布資料、ディスカッション等の授業内容を復習し、ノートを整理する。
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[
平均60
]分
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授業計画
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授業回
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内容
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1.
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科目紹介 履修上の留意点 現代批評
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2.
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ジェンダー・スタディーズ 予習:加藤 1, 2章 【指定図書】
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3.
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ジェンダー・スタディーズ 予習:加藤 5, 6章 【指定図書】
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4.
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ジェンダー・スタディーズ 予習:加藤 11, 12章 【指定図書】 Mind Map 予習:「マインドマップの基本ルール」
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5.
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シェイクスピア 『ロミオとジュリエット』 1-3幕 予習:シェイクスピア 『ロミオとジュリエット』 1-3幕 象徴(ジェンダー、セクシュアリティ) 予習:フォスター 16章 【指定図書】
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6.
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シェイクスピア 『ロミオとジュリエット』 1-3幕(継続) 予習:シェイクスピア 『ロミオとジュリエット』 1-3幕 象徴(ジェンダー、セクシュアリティ) 予習:フォスター 17章 【指定図書】
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7.
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シェイクスピア 『ロミオとジュリエット』 4-5幕 予習:シェイクスピア 『ロミオとジュリエット』 4-5幕 フィルム・スタディーズ 予習:ライアン、レノス 序章1、1章 【指定図書】
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8.
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シェイクスピア 『ロミオとジュリエット』 4-5幕(継続) 予習:シェイクスピア 『ロミオとジュリエット』 4-5幕 フィルム・スタディーズ 予習:ライアン、レノス 序章2、2, 12章 【指定図書】 映像テクスト選定
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9.
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テクスト分析(プレゼンテーション準備1) 予習1:Active Viewing 予習2:レイノルズ 「準備 Preparation」 課題:Critical Analysis
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10.
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テクスト分析(プレゼンテーション準備2) 予習:レイノルズ 「準備 Preparation」
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11.
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PowerPoint デザイン 予習1:レイノルズ 「デザイン Design」 予習2:レイノルズ 「やってはいけない写真の使い方」 課題:デザイン案(ラフスケッチ)
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12.
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デリバリー 予習:レイノルズ 「実施 Delivery」
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13.
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リハーサル 予習:レイノルズ 「Q&A 質疑応答」
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14.
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プレゼンテーション
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成績評価
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評価項目
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評価項目の詳細内容
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割合
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課題提出(レポート)
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Mind Map、デザイン案(ラフスケッチ)等
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30
%
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小テスト
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ポップ・クイズ等
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20
%
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試験
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プレゼンテーション
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30
%
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実習・学外学修活動
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0
%
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その他
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授業への貢献度(ディスカッション、グループワーク等)
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20
%
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留意事項
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・ 教科書は初講から持参すること。 ・ 初講を欠席した学生は第2講前日までに担当教員からの履修許可を必要とする。 ・ 授業は学生が中核となって築き上げるものである。単なる出席(attendance)ではなく、グループワークやディスカッションに積極的に参加(participation)し、自発的な発言を通して授業に貢献すること。 ・ 予習(準備)が不十分な状態で出席しないこと。課題は提出期限を厳守すること。原則として、期限後の提出は認めない。 ・ 授業に必要のない物は鞄などにしまうこと。授業中の携帯電話・スマートフォンの使用は辞書機能を含め禁止とする。 ・ 居眠り・私語厳禁。私語は授業妨害のため、特に厳しく対処する。私語の代わりに、主体的に疑問を投げかけ、問題提起をし、意見を発表すること。 ・ 欠席・遅刻はディスカッションやグループワーク、課題提出に影響を及ぼすので注意すること。 ・ 授業外のグループワークは、LINE 等を通して行うだけではなく、必要に応じてメンバーが物理的に集まって実施すること。 ・ 剽窃(plagiarism)は厳しく対処する。
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教科書
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1.
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書籍名
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『ロミオとジュリエット』
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著者
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ウィリアム・シェイクスピア
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出版社
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筑摩書房
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ISBN
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9784480033024
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2.
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書籍名
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『プレゼンテーションZen 第2版』
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著者
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ガー・レイノルズ
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出版社
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丸善出版
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ISBN
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9784621066034
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参考図書
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1.
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書籍名
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『はじめてのジェンダー論』
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著者
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加藤秀一
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出版社
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有斐閣
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ISBN
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9784641150393
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2.
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書籍名
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『映画でわかるカルチュラル・スタディーズ』
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著者
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カーラ・フレチェロウ
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出版社
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フィルムアート社
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ISBN
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9784845901210
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3.
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書籍名
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『Film Analysis 映画分析入門』
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著者
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マイケル・ライアン、メリッサ・レノス
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出版社
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フィルムアート社
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ISBN
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9784845914395
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4.
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書籍名
|
『大学教授のように小説を読む方法 増補新版』
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著者
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トーマス・C・フォスター
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出版社
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白水社
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ISBN
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9784560097304
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参考URL
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実務経験のある教員等による授業科目 (実践的教育を行う授業科目)
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実践的教育を行う授業科目の種別
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対象
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a.実務経験を有する担当教員による実践的な授業科目
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担当教員の実務経験(経歴・資格等)
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授業内容との関連性
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b.企業や自治体等、学外から実務経験を有する講師を招いて行う授業科目
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学外講師の経歴・資格等
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授業内容との関連性
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c.企業や自治体等との連携により、学外でのインターンシップや実習、研修を行う授業科目
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実習先・実習の目的
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備考
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【履修登録】 ・ 研究手法を修得するために、Literary Texts, Critical Methods C および Dをセットで履修することを推奨する。 ・ ディスカッションおよびグループワークを中心に授業を運営するため、履修者を40名までとする。上限を超えた場合は、優先順位を以下の通りとする。 1. Literary Texts, Critical Methods C および Dをセットで履修する学生 2. 上位学年生 ・ 留学生はJLPT N1相当の日本語力を有していることが望ましい。
【教科書】 ・ 授業計画において「指定図書」と記載されている教材は、本学図書館に指定図書として配架されるため、購入は希望者のみとする。
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