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年度 2024 
講義名 専門コース演習Ⅰ(人工知能(AI)クリエーション) 
担当教員

清木 康

林 康弘

開講期・曜日・時限・教室 1学期 木曜日 3時限 有明5-402
1学期 木曜日 4時限 有明5-402
開講キャンパス 有明
開講学科 24 データサイエンス学科
23 データサイエンス学科
22 データサイエンス学科
21 データサイエンス学科
20 データサイエンス学科
19 データサイエンス学科
授業形態 演習 
授業の実施形態 対面/Face-to-Face 
使用言語 日本語 
科目番号(ナンバリング) INFO 342 



授業概要
本講義では、情報科学の視点からの知識処理について実際に実習を伴いながら学ぶ。

前半では、データベースなどのビッグデータを対象とするAIクリエーションの方法として注目されているSPA(Sensing-Processing-Actuation)アーキテクチャによる知識獲得技術を学ぶ。
SPAアーキテクチャにおけるセンシングデータ獲得、データマイニング(データ発掘)、および、マルチメディア・データ処理(画像データ、動画データ、音楽データ、時空間データ)を対象とし、それらのセンシングデータ、マルチメディア・データの検索、編集、統合を実現するAIシステムの構築方法を習得する。
SPAアーキテクチャを対象とした具体的な応用分野(自然、社会、芸術、生命、医療、地域、科学、交通などの表現)を設定し、その分野のSPAシステムを構築する。
また、SPAシステムの構成方式および知識表現モデル、データ構造、操作系について学ぶ。
さらに、SPAシステムを対象とした連想検索系、感性情報検索系について学ぶ。
実際に、センシングデータ、マルチメディアデータを対象とした意味的連想検索系、感性情報検索系の構築の実習を行う。

後半では、センシングデータを対象としたAIクリエーションとして注目されているSPA(Sensing-Processing-Actuation)アーキテクチャによる知識活用技術を学ぶ。
SPAアーキテクチャにおけるAIシステムを対象とし、センサ機器による気温、湿度、加速度、GPSなどの実データ計測、データビジュアライゼーションを実現するAIシステムの構築方法を取得する。
SPAアーキテクチャを対象とした具体的な応用分野(自然、社会、芸術、生命、医療、地域、科学、交通などの表現)を設定し、その分野のSPAシステムを構築する。
また、特定の条件により駆動するアクティブデータベース、時系列分析について習得する。
さらに、センシングデータを対象とした知識ベース(Knowledge Bases)の構築方法について学ぶ。
実際に、センシングデータを対象とした知識活用系の構築の実習を行う。 
知識・専門性の到達目標 自ら教養・基礎学力を修得し、データサイエンスにおけるリテラシー、データ検索・統合・分析、プログラミング環境・方法論を身につける。【基礎力・データサイエンスの専門性】
 
関心・態度・人格の到達目標  
思考力・判断力の到達目標 自らグローカルな視野でデータサイエンスに関する諸問題を発見することができる。【課題発見力】
Pythonを用いて基礎的なデータの加工・分析・可視化を行う能力を身につける。【情報分析力・課題解決力】
さまざまな方法で取得されるデータを、アプリケーションを用いて加工・可視化する基本的な能力を身につける。【情報分析力・課題解決力】 
交感力・発信力の到達目標 データ分析結果に基づき、可視化したデータを用いて発表できる。【表現力】
チームで同じ問題意識を持ち、協力して物事を進めることができる。【チームワーク】
 
「響学スパイラル」取り組み方法
授業における「アクティブな知」の要素
授業形態 対象
A:課題解決型学習(PBL)企業、自治体等との連携あり  
B:課題解決型学習(PBL)連携なし   ‐ 
C:反転授業(知識習得を授業外で行い、知識確認等の要素を教室で行う授業形態)  
D:討議(ディスカッション、ディベート等)   ○ 
E:グループワーク   ○ 
F:発表(プレゼンテーション)   ○ 
G:実習、フィールドワーク   ○ 
H:双方向授業(ICT活用なし:対話型、リアクションペーパー等)   ○ 
I:双方向授業(ICT活用あり:クリッカー、タブレット、スマートフォン等)   ○ 
J:講義のみ   ‐ 
  ‐ 
授業における「ICTの活用」について
授業形態 対象
A:ノートPC必携   ○ 
B:講義資料や授業教材のオンライン配信   ○ 
C:レポート課題等のオンライン提出   ○ 
D:質問やレポート課題等へのフィードバックにおける学修管理システムの活用
 (学修支援システム(Course Power)、Google Classroom、Teams等)  
○ 
E:オンラインメディアの活用
 (e-Learning、edX、Coursera、JMOOC等のOpen Educational Resources)  
○ 
F:Zoom、Google Meet等のミーティングツールの活用   ○ 
 
予習
(事前学修)
各授業   授業内容の事前学習
関連知識の習得 
[ 平均130  ]分
復習
(事後学修)
各授業   授業内容の復習、実装 
[ 平均130  ]分
成績評価
評価項目 評価項目の詳細内容 割合
課題提出(レポート)   実習における自作データベース及びSPAシステム、それらの説明を行うレポート(発表)  100  %
小テスト     0  %
試験     0  %
実習・学外学修活動     0  %
その他     0  %
授業計画
授業回 内容
1. SPAアーキテクチャと知識処理の概要(担当:清木)
データベース、知識処理、SPAアーキテクチャの技術的背景、および、基本的な概念について解説する。 
2. SPAアーキテクチャと知識処理(時間、空間ベース)(担当:清木)
SPAアーキテクチャ、データベース、知識ベースを構築するためのシステムについて解説する。実際に、拡張リレーショナルデータベース言語PostgreSQL、プログラミング言語Pythonを用いて、知識ベースおよびその処理系作成環境の設定を行う。知識ベースにおける情報検索方式、および、それを実現する知識ベースシステム構成について解説する。また、時間的、空間的情報により、知識ベース間データを検索・結合する方法について解説する。 
3. SPAアーキテクチャ(担当:清木)
SPAアーキテクチャを対象とし、マルチメディア知識ベースに内在する情報を表現するメタデータの概念を示し、メタデータの獲得方法 およびメタデータベースの構成について解説する。拡張リレーショナルデータベース言語PostgreSQL、プログラミング言語Pythonを用いて、知識ベースお よびその知識処理系作成の実習を行う。メタベータベースとは、文書、画像、音楽などのメディアデータを有する知識ベース群を対象とした情報獲得において、それらのデータについての抽象情報をメタデータとして蓄積することにより、メディアデータ群を対象とした情報獲得の可能性を高めること目的として構成される知識ベースである. ここでは、実際の知識ベースの実現例についても紹介する。 
4. SPAアーキテクチャとマルチメディア知識ベース(画像・音楽知識ベース)(担当:清木)
画像、映像、音楽などのメディア・データを対象とするマルチメディア知識ベースの構成方法について解説する。マルチメディアを対 象とした知識ベース・システムの検索機構を構成する場合には、感性表現とメディア・データ群の間の感性的な(あるいは、意味的 な)同一性、関連性を計算する検索機能が必要となる。ここでは、画像データ、音楽データを対象とした感性データベースの構築方法 について解説する。実際に、画像、音楽、映像などを対象とした感性データベース設計を実習する。第1回のレポートの課題について説明する。 
5. SPAアーキテクチャと知識ベースの時間・空間情報処理への応用(担当:清木)
時間的、空間的情報を有する知識ベースを対象とした検索、意味計算などの新しい知識ベース検索を実現する知識ベースシステムについて解説し、時空間知識ベースのデザイン分野への応用、特に、モバイルコンピューティングへの応用について実習を行う。 
6. SPAアーキテクチャと大規模データ分析、データマイニングと知識発見(担当:清木)
知識ベースシステムにおける重要な操作であるルール獲得の基本概念について述べ、大規模データの中からそこに内在する知識あるいは ルール群を動的に発見、獲得するための方式として注目されているデータマイニングと知識発見の概念について実習を行う。 
7. SPAアーキテクチャとマルチメディア知識処理、知識ベースの応用(担当:清木)
マルチメディア知識処理システム、知識ベース、感性データベースの新しい応用について考察し、その構築を実習する。それらの構築方法を復習し、それらの応用について考察する。マルチメディア知識処理、知識ベース、感性知識ベースの構築方法を復習し、それらの応用について考察する。本講義全体について復習し、基礎的な項目の知識を確認する。画像、映像、音楽などのメディア・データを対象とするマルチメディア知識ベースの構成方法について復習する。 
8. SPAアーキテクチャにおけるデータ計測(担当:林)
SPAアーキテクチャに基づくAIシステムの実現方法の一つとして、センサ機器による気温、湿度、加速度、GPSなどの実データ計測方法、それに関連するデータモデル、ネットワーク接続、標本化・量子化、時系列、遅延、データ統合等について解説する。屋外環境を対象としてGPSデータによる緯度経度情報の計測、屋内環境を対象として人・モノの位置情報、環境情報の取得を実際に行う。プログラミング言語Pythonを使用する。 
9. SPAアーキテクチャにおけるデータの永続化(担当:林)
SPAアーキテクチャに基づくAIシステムの実現方法の一つとして、肥大化するセンシングデータの永続化方法について解説する。クラウドサービスを利用してデータの永続とデータ分析を可能とする方法について実習を行う。プログラミング言語Pythonを使用する。 
10. SPAアーキテクチャにおけるデータビジュアライゼーション(担当:林)
SPAアーキテクチャに基づくAIシステムの実現方法の一つとして、データ分析により得られる知識の効率的な伝達を行うデータビジュアライゼーションについて解説し、実際にデータ可視化を行う。プログラミング言語Pythonを使用する。 
11. SPAアーキテクチャとアクティブデータベース(担当:林)
SPAアーキテクチャにおいて、特定の条件により駆動するアクティブデータベースについて解説する。実際にPostgreSQLを用いてECA(Event-Control-Action)ルールを設定し、データに特定の条件が満たされた場合にデータベースを駆動させる方法について実習を行う。その応用について考察する。 
12. SPAアーキテクチャと時系列分析(担当:林)
SPAアーキテクチャにおいて取り扱われるセンシングデータの時系列成分に注目し、時系列分析について解説する。移動平均、周期性、変化量、各種時系列モデルを組み合わせて時系列データから知識を取得する方法について解説する。実際に計測したセンシングデータを対象に時系列分析を行う。プログラミング言語Pythonを使用する。 
13. SPAアーキテクチャにおける知識ベース構築(担当:林)
SPAアーキテクチャにおいて取り扱われるセンシングデータと対象として、知識ベースの構築・検索方法について解説する。センシングデータにおける特徴量とセンシング対象の状態について意味的解釈を行う方法について解説する。実際に計測したセンシングデータを対象に知識ベースの構築と検索による状況判定を行う。 
14. SPAアーキテクチャと知識活用(担当:林)
SPA技術、実データ計測、データビジュアライゼーション、アクティブデータベース、時系列分析、知識ベースの新しい応用について考察し、その構築を実習する。
それらの構築方法を復習し、それらの応用方法について考察する。
本講義全体について復習し、基礎的な項目の知識を確認する。SPA(Sensing-Processing-Actuation)アーキテクチャによる知識獲得・活用方法について復習する。 
留意事項
教科書
(購入必要)
参考図書
(任意購入)
その他
(配布教材等により購入不要)
参考URL
実務経験のある教員等による授業科目
(実践的教育を行う授業科目)

実践的教育を行う授業科目の種別


対象

a.実務経験を有する担当教員による実践的な授業科目  
担当教員の実務経験(経歴・資格等)  
 
授業内容との関連性  
 
b.企業や自治体等、学外から実務経験を有する講師を招いて行う授業科目  
学外講師の経歴・資格等  
 
授業内容との関連性  
 
c.企業や自治体等との連携により、学外でのインターンシップや実習、研修を行う授業科目  
実習先・実習の目的  
 
備考
教材・参考文献
(1) C. J. Date, ``An Introduction to Database Systems, Volume I, Fifth Edition,’’ The Systems Programiming Series, Addison-Wesley Publishing Company.
(2) 増永良文 ``リレーショナルデータベース入門,’’ サイエンス社.
(3) 福田 剛志, 他, ``データマイニングの最新動向,’’ 情報処理 Vol.37, No.7.
(4) M.W. Bright, et al, ``A Taxonomy and Current Issues in Multidatabase System,’’ IEEE Computer, Vol.25, No.3.
(5) Yasushi Kiyoki and Xing Chen, "A Semantic Associative Computation Method for Automatic Decorative-Multimedia Creation with "Kansei" Information," Invited Paper, The Sixth Asia-Pacific Conferences on Conceptual Modelling (APCCM 2009), 10 pages, January 20-23, 2009, Wellington, New Zealand.
(6) 清木 康, "5D WORLD MAP SYSTEM - グローバル環境知識共有・検索・分析可視化システムの実現 –"一般社団法人地理情報システム学会論文誌「GIS-理論と応用」IoT×GIS特集, 2019
(7) 清木 康, "感性や意味を計量するデータベースシステム -人間と情報システムの記憶系について-, KEIO SFC Journal, KEIO SFC JOURNAL Vol.13 No.2 2013
(8) Yasushi Kiyoki, Xing Chen, Chalisa Veesommai, Jinmika Wijitdechakul, Shiori Sasaki, Chawan Koopipat, Petchporn Chawakitchareon, “A Semantic-Associative Computing System with Multi-Dimensional World Map for Ocean-Environment Analysis”, Information Modelling and Knowledge Bases XXX, Vol.312, pp. 147 - 168, IOS Press, 2019.
(9) Yasushi Kiyoki, Petchporn Chawakitchareon, Sompop Rungsupa, Xing Chen, Kittiya Samlansin, “A Global & Environmental Coral Analysis System with SPA-Based Semantic Computing for Integrating and Visualizing Ocean-Phenomena with “5-Dimensional World-Map”, INFORMATION MODELLING AND KNOWLEDGE BASES XXXII, Frontiers in Artificial Intelligence and Applications 333, IOS Press, pp. 76 – 91, Dec 2020.
(10) Hayashi, Y., Kiyoki, Y., and Chen, X.: "An Image-Query Creation Method for Expressing User’s Intentions by Combining Multiple Images", Information Modelling and Knowledge Bases, Vol.XXI, IOS Press, pp. 188-207, 2010.
(11) Hayashi, Y., Kiyoki, Y., and Chen, X.: "A Combined Image-Query Creation Method for Expressing User’s Intentions with Shape and Color Features in Multiple Digital Images", Information Modelling and Knowledge Bases, Vol. XXII, IOS Press, pp. 258-277, 2011. 


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