授業概要
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【概要】 武蔵野大学では情報技術(IT)の学修を通じて,変化し続ける社会の中で,様々な困難な課題を解決し,より良い未来を作り出すことのできる人材の育成を目指す.本科目では,本学を修了し,社会で情報技術を活用した活動を行うのに必要な手法を実践的に学ぶ.
情報技法基礎で学んだデザイン思考の考え方を本格的に学び,デザイン思考の基本的な概念・手法・プロセスを実践を通して学ぶ.またDX時代に適合した「デザイン思考×データサイエンス」という新たなアプローチも取り入れ,新しい時代の価値創出プロセスを体験する.本科目では従来の問題解決手法に代わり,ユーザ(顧客)の価値に焦点を当て,新しいユーザ(顧客)体験をデザインするための手法を身につける.具体的には,ある企業においてある顧客層(Z世代)の売上を向上させるために,その顧客層にとって魅力ある顧客の買い物体験をデザインする.この顧客体験をデザインするために,ターゲットを深く理解するためのユーザスタディ,ユーザ(顧客)価値を可視化する手法,新しい体験を可視化するビデオプロトタイピング手法などを学ぶ. 社会の中で実践されているデザイン思考プロセスは,多様な背景を持つ人々が集まり,議論しながら進める共創活動が基本である.そこで本授業でも同様にグループでのディスカッションや共同作業を重視し,多様な考えをまとめ上げて成果を出すことを学ぶ.また知識を学ぶだけではなく,実際に手を動かしながら成果物を作成することを重視する.これらの成果物を積み上げ,最終的には各自で新しい買い物体験のビデオプロトタイプとそれを発信するHPを制作する.これらの活動を通じて,ユーザ(顧客)体験価値に基づく問題解決の新し考え方を身に着につけ,自らの身近な問題にも適用できるようになることを目指す.
【達成目標】 1. UX(ユーザ体験)やデザイン思考の基本的な考え方とデザインプロセスを理解する. 2. デザイン思考の基本的な手法/ツールセットを理解し,体験し,活用できるようになる. 3. 身近で日常的な問題解決や自分自身の学習や研究での問いに対して,デザイン思考の考え方やアプローチを部分的でも適用できるようになる.
※本科目では,「情報技法基礎」の履修を前提に講義と演習を進める. ※本科目は,武蔵野大学の副専攻「AI活用エキスパートコース」を構成する科目群の一つで,基盤科目に位置づけられる.上記副専攻コースの認定には基盤科目の所定の単位数取得が必要になる.なお,副専攻コースへの参画がされていなくても本科目を履修することができる.詳しくは以下のコース説明を参照すること. https://risyuyouran.musashino-u.ac.jp/faculty/curriculum-faculty/ai/
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知識・専門性の到達目標
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情報技法基礎で学んだ知識をベースに、社会で実践されているデザイン思考の問題解決手法を習得し、適切に適用できるようになる。【教養・基礎学力】
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関心・態度・人格の到達目標
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デザイン思考の考え方や各種手法が社会の中でどのように活用されているかを理解し、身近なプロジェクトに自ら参加して、リアルな問題解決に取り組む意欲を醸成する。【自己認識力・他者理解力】
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思考・判断の到達目標
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情報技法基礎で習得したデザイン思考力を、複雑で高度な課題に適用できる水準に高めることで、ビジネス企画等の現実社会の課題に取り組むことができるようになる。【情報分析力・論理的思考力・判断力】
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実践的スキル・表現の到達目標
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デザイン思考の問題解決手法を活用して導出したアイデアを、他者に伝達し説得するために、視覚的・触覚的な形として表現できるようになる。【表現力】
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「響学スパイラル」取り組み方法
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武蔵野大学「響学スパイラル」に基づき,以下の内容で授業を実施します. [響学] 毎回の授業で,グループディスカッションを通じた協働作業や,個人課題の相互評価やフィードバックを通して,理解を深めたり,制作物をより良いものにしていきます. [問う] 既存のデータソースや自身で収集したデータの分析に基づいて,問いを発生し,テーマを設定します. [考動する] 様々な手法を活用しながら自分自身で能動的に考え,手を動かし,本質的な洞察や価値を探求します. [カタチにする] 思考の結果のアイデアはプロトタイプという形で可視化します [見つめ直す] 制作物は作成するだけではなく,評価を通じて見直し,ブラッシュアップサイクルを回します.
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授業における「アクティブな知」の要素
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授業形態
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対象
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A:課題解決型学習(PBL)企業、自治体等との連携あり
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B:課題解決型学習(PBL)連携なし
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C:反転授業(知識習得を授業外で行い、知識確認等の要素を教室で行う授業形態)
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○
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D:討議(ディスカッション、ディベート等)
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○
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E:グループワーク
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○
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F:発表(プレゼンテーション)
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○
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G:実習、フィールドワーク
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H:双方向授業(ICT活用なし:対話型、リアクションペーパー等)
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-
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I:双方向授業(ICT活用あり:クリッカー、タブレット、スマートフォン等)
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○
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J:講義のみ
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K:その他
PCを活用した演習
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○
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授業における「ICTの活用」について
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授業形態
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対象
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A:ノートPC必携
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○
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B:講義資料や授業教材のオンライン配信
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○
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C:レポート課題等のオンライン提出
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○
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D:質問やレポート課題等へのフィードバックにおける学修管理システムの活用 (学修支援システム(Course Power)、Google Classroom、Teams等)
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○
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E:オンラインメディアの活用 (e-Learning、edX、Coursera、JMOOC等のOpen Educational Resources)
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○
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F:Zoom、Google Meet等のミーティングツールの活用
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○
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予習 (事前学修)
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各授業
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1)授業のための講義ビデオや教材を自学修し,事前に知識をインプットしておく. 2)指示された課題を指定の締切日までに実施し提出する.
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[
35
]分
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復習 (事後学修)
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各授業
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1) 各回の授業で学んだ学修内容に関し,振り返りアンケートに回答する 2)指示された課題を指定の締切日までに実施し提出する. 3)同時双方向及びオンデマンド授業時間内で達成できなかった課題を実施し,締切日までに提出する
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[
35
]分
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成績評価
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評価項目
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評価項目の詳細内容
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割合
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課題提出(レポート)
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・各回の課題の成果物 45% ・最終提案の成果物 40%
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85
%
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小テスト
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0
%
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試験
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0
%
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実習・学外学修活動
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0
%
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その他
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各回の提出物(振り返りアンケートなど),相互評価,グループワークへの貢献度など
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15
%
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授業計画
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授業回
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内容
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1.
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【第1週】【同時双方向授業】デザイン思考概論(知識編) 本授業の主題である「ユーザ体験」及び「デザイン思考」の基本概念及び基本プロセスを理解する.またこれらの手法が実社会でどのように活用されているかを学び,本科目で学ぶ内容と社会とのつながりを理解する. [予習] ①シラバスを読んでくる ②買い物体験に関するアンケートに回答する
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2.
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【第1週】【オンデマンド授業】デザイン思考概論(実践編) [個人課題] ユーザ体験やデザイン思考に関する社会での実践事例を各自で収集し,実社会での事例の分析を通じて講義を通じて学んだ知識に関する理解を深める. [復習] ①授業の振り返りアンケート ②情報分析課題:リアルな店舗の売上データのデータ分析を通じて、その店舗における課題を抽出する(EXCEL PivotTableもしくはTableauを活用したデータ分析)(第1週及び第2週を通じた課題)
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3.
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【第2週】【同時双方向授業】ユーザスタディ(調査編) [グループワーク] ターゲット顧客を深く理解するために,デプスインタビューという手法を使いユーザスタディを実施する.グループ毎にメンバー相互にデプスインタビューを実施し,ターゲットに関するデータを収集する. [予習] ①事前学修ビデオを視聴する
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4.
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【第2週】【オンデマンド授業】ユーザスタディ(分析編) [個人課題]インタビューで収集したデータを,エンパシーマップという手法で整理し,そこから課題を抽出する. [復習] ①授業の振り返りアンケート ②情報分析課題:リアルな店舗の売上データのデータ分析を通じて、その店舗における課題を抽出する(EXCEL PivotTableもしくはTableauを活用したデータ分析)(第1週及び第2週を通じた課題)
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5.
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【第3週】【同時双方向授業】問題(テーマ)の特定① [グループワーク] エンパシーマップや店舗の売上データの分析から抽出したターゲット顧客の問題点をブレーンストーミング/KJ法を通じてグループで整理し,チームで重点的に取り組むべき問題(テーマ)を特定する. [予習] ①事前学修ビデオを視聴する
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6.
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【第3週】【オンデマンド授業】問題(テーマ)の特定② [個人課題]チームで特定した問題(テーマ)に関して、各自でアイデアを広げ,解決策を大量に考える.ここでは質ではなく量を出すことで,より問題を具体化すると同時に,次週に実施するあるべき姿のイメージのアイデア出しにもつなげる. [復習] ①授業の振り返りアンケート ②ユーザビリティ評価課題
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7.
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【第4週】【同時双方向授業】ターゲットユーザ(顧客)のあるべき姿の可視化① [グループワーク]ターゲットとすべき顧客像のペルソナを作成する。またそのターゲット顧客の買い物体験に関して,あるべき姿(ToBe)をカスタマージャーニーマップという手法を用いて可視化する. [予習] ①事前学修ビデオを視聴する
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8.
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【第4週】【オンデマンド授業】ターゲットユーザ(顧客)のあるべき姿の可視化② [個人課題]カスタマージャーニーマップから現状とのギャップを分析し,ギャップを埋めるための解決策を考える.またその解決策における新しい買い物体験のシナリオをストーリーボードという手法を用いて表現する. [復習] ①振り返りレポート(1~4週の学習内容のまとめ) ②授業の振り返りアンケート
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9.
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【第5週】【同時双方向授業】解決策の可視化(ユーザ体験のプロトタイピング)① [グループワーク]各自で考えた新しい買い物体験(ストーリーボード)に関してグループで討議し,相互にフィードバックを与える.グループメンバーからもらったフィードバックを元に,ストーリーボードをブラッシュアップする. [予習] ①事前学修ビデオを視聴する
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10.
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【第5週】【オンデマンド授業】解決策の可視化(ユーザ体験のプロトタイピング)② [個人課題]ストーリーボードに基づき,新しい買い物体験をビデオプロトタイプとして制作する. [復習] ①授業の振り返りアンケート ②ユーザビリティ評価課題
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11.
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【第6週】【同時双方向授業】ビデオプロトタイピングの評価とブラッシュアップ [グループワーク]各自で制作したビデオプロトタイプに関してグループで相互評価し,フィードバックを与える.グループメンバーから受けたフィードバックコメントを元に,各自でビデオプロトタイプをブラッシュアップする。 [予習] ①事前学修ビデオを視聴する
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12.
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【第6週】【オンデマンド授業】買い物体験を告知するHPの制作 [個人課題]新しい買い物体験をターゲット顧客に伝えるために,店舗のホームページから発信を行う.そのための告知ページをデザインし制作する.また,発表へ向けて発表のサマリレポートを作成する. [復習] ①授業の振り返りアンケート ②ユーザビリティ評価課題
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13.
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【第7週】【同時双方向授業】最終発表と相互評価(グループ別評価) [グループワーク] 新しい顧客体験を告知するHPを参照し,指示された評価観点に基づき相互評価を行う(他グループの制作物を評価).また評価を通じて得た学びをグループ内で共有し,本授業で学んだことに関するリフレクションを行う. [予習] ①事前学修ビデオを視聴する
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14.
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【第7週】【同時双方向授業】最終発表と相互評価(全体発表) グループ別に実施した評価結果をもとに特に高い評価を得たものに関してクラス全体で発表を行ってもらい共有する.各講師から制作物や発表に関するフィードバックを行う.これらのフィードバックや評価を通じた学びの結果を活かし,各自でビデオプロトタイプ及び告知HPのブラッシュアップを行い提出する. [復習] ①授業評価アンケート ②最終成果物(ビデオプロトタイプ/告知HP/発表サマリレポート)の提出
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留意事項
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1)2クラス開講するが,授業運営上,人数制限をする可能性がある. 2)授業は各週毎に,1コマをオンデマンド授業,1コマを同時双方向授業で実施する.オンデマンド授業は,1コマ分に相当するビデオや資料の閲覧,演習課題への取り組みが指示されるので,各自のペースで任意の時間に実施すること.同時双方向授業では,学生間でのグループワークや教員からのフィードバックを実施するので,必ず指定された授業時間に出席すること. 3)通常は,前半が同時双方向授業,後半がオンデマンド授業となるが,第7週のみ例外で,2コマ連続(4限5限)で同時双方向授業となるので注意すること.もし2コマ目の5限の同時双方向授業に参加が難しい場合は,担当教員と相談すること. 4)オンライン授業では,学修管理システムおよびミーティングツールとしてTeamsを利用するため,本学の「ICTを活用した授業支援ポータルサイト」などで「Microsoft Teams」の利用方法を確認しておくこと. 5)第1回目の同時双方向授業の受講およびその準備に必要な情報は、MUSCATの「講義連絡」で1週間前までに告知するので確認すること.なお,1学期の授業は「履修登録」が確定した時点(授業の直前)ですみやかに告知するので,MUSCATの情報に注意すること. 6)正当な理由なしに3週以上欠席した場合,成績評価は「X(出席不足)」となる.なお,欠席した週の課題も必ず提出すること.課題の提出期限の詳細は,担当教員の指示に従うこと. 7)演習ではPCの利用を前提とする.スマートフォンやタブレットのみの受講は不可. 8)本科目は,副専攻(AI活用エキスパートコース)の習得を目指す学生は,履修を解除するとコースから離脱することになるので注意すること. 9)成績評価に関して詳しくは以下の説明を参照すること. https://www.musashino-u.ac.jp/student-life/learning/results.html
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教科書 (購入必要)
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参考図書 (任意購入)
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その他 (配布教材等により購入不要)
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参考URL
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実務経験のある教員等による授業科目 (実践的教育を行う授業科目)
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実践的教育を行う授業科目の種別
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対象
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a.実務経験を有する担当教員による実践的な授業科目
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担当教員の実務経験(経歴・資格等)
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林浩一 2002年~2015年 ウルシステムズ株式会社 ITコンサルティング事業本部長。 2009年~2019年 ピースミール・テクノロジー株式会社代表取締役社長。 日経BP社主催の提案書作成セミナー講師、同社出版の雑誌記事、ロジカルシンキング書籍の執筆
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授業内容との関連性
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ITコンサルティング会社(上記2社)にて、様々な企業に対する事業提案とコンサルティングを実施。 社内外の技術者や研究者をコンサルタントとして活動できるようにするために、ロジカルシンキングに基づく提案スキルの研修と記事執筆を実施。 本授業で使用する現実の小売企業の売上データは、授業の趣旨に賛同してくれた上記ITコンサルティング会社出身者から特別に提供いただいている。 本出身者は上述の研修を受けた元技術者であり、コンサルティング経験を積んだ後、現在、上記小売企業のICT担当取締役。
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b.企業や自治体等、学外から実務経験を有する講師を招いて行う授業科目
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学外講師の経歴・資格等
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授業内容との関連性
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c.企業や自治体等との連携により、学外でのインターンシップや実習、研修を行う授業科目
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実習先・実習の目的
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備考
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