授業概要
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《概要》 武蔵野大学では情報技術(IT)の学修を通じて、変化し続ける社会の中で、様々な困難な課題を解決し、より良い未来を作り出すことのできる人材の育成を目指しています。本科目では、本学を修了し、社会で情報技術を活用した活動を行うのに必要な手法を実践的に学びます。
「情報技法基礎」で学んだ論理思考の応用として、ビジネスインテリジェンス(企業など実社会での情報分析と活用)につながる、本格的な課題解決の技法を学ぶ。今日の社会において有用なサービスや商品の開発や技術の進歩は、絶え間ない改善努力によって実現されている。このための基本として、直面する問題を分析し、その解決のためのプロジェクトを推進できるスキルが必要になる。
この授業では、課題の特定から原因の分析、解決施策の立案、施策実行の指示書作成までの一連の活動に必要な手法を学ぶ。実在する企業のデータを扱うために作成したアプリを使って、課題の発見から解決まで、リアリティのある課題解決に取り組む。
《具体的な内容》 プログラミング不要なノーコード型のアプリ作成ツールで作られた、現実の文房具専門店のデータを参照して発注を行う、コクピット型のサンプルアプリについて、問題点や欠点を検討し、よりよいアプリを提案し、実現するところまでを行う。アプリ開発のプロジェクトの進め方を理解し、自力で実現できない範囲は、実現を依頼する開発者を想定して適切な指示書を準備する。ツールとしてアプリ作成ツール(Kintone)、表計算ソフト(Excel)、プレゼンテーションツール(PowerPoint)を利用する。
授業はグループ活動を基本とし、グループディスカッションを通じて、各自で行った分析やアイデアについての相互評価とノウハウ共有を繰り返すことで、各種スキルを実践的に身に付ける。
《達成目標》 1. 実社会でも使われているKintone (ノーコード開発ツール)を使った簡単なアプリ作成ができる 2. システム開発の流れを理解し、データ、プロセス、仕様の問題点を見つけ改善案を導ける 3. 目的を達成するためのツールを構想し、プロジェクトに対して論理的な提案をすることができる
※本科目では、「情報技法基礎」の履修を前提に講義と演習を進めます。 ※本科目は、武蔵野大学の副専攻「AI活用エキスパートコース」を構成する科目群の一つで、基盤科目に位置づけられる。上記副専攻コースの認定には基盤科目の所定の単位数取得が必要になる。なお、副専攻コースへの参画がされていなくても本科目を履修することができる。詳しくは以下のコース説明を参照すること。 https://risyuyouran.musashino-u.ac.jp/faculty/curriculum-faculty/ai/
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知識・専門性の到達目標
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情報技法基礎で学んだ知識をベースに、複雑で高度な課題を構造的な分析を行うための手法を習得し、適切に適用できるようになる。【教養・基礎学力】
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関心・態度・人格の到達目標
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情報分析やインタビュー調査を通じて、個人の思いや社会で共有される要望を理解し、その達成に必要な課題の設定ができるようになる。【自己認識力・他者理解力】
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思考・判断の到達目標
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情報技法基礎で習得した論理思考力を、複雑で高度な課題に適用できる水準に高めることで、DX等の現実社会の課題に取り組むことができるようになる。【情報分析力・論理的思考力・判断力】
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実践的スキル・表現の到達目標
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課題解決の考え方を関係者に理解しやすい形式で伝達し、納得して動いてもらうことのできる表現を組み立てられるようになる。【表現力】
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「響学スパイラル」取り組み方法
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武蔵野大学「響学スパイラル」に基づき、以下の内容で授業を実施する。 【響学】解がひとつではないテーマに対して、多種多様な視点や発見があることを、毎回の授業のグループディスカッションやプレゼン、相互評価を通じて学ぶ。 【問う】テーマに対して、自分自身で探索し、課題が何かについて問いを立てる。 【考動する】ツールを使った分析や調査を行い、課題について深く考察、議論する。 【カタチにする】課題についての考察を踏まえ解決のための施策を考案し、提案という形で表現する。 【見つめ直す】提案をプレゼンし、相互にフィードバッする中で、提案を見つめ直し、より良い提案へと高める。
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授業における「アクティブな知」の要素
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授業形態
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対象
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A:課題解決型学習(PBL)企業、自治体等との連携あり
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B:課題解決型学習(PBL)連携なし
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-
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C:反転授業(知識習得を授業外で行い、知識確認等の要素を教室で行う授業形態)
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○
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D:討議(ディスカッション、ディベート等)
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○
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E:グループワーク
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○
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F:発表(プレゼンテーション)
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○
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G:実習、フィールドワーク
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-
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H:双方向授業(ICT活用なし:対話型、リアクションペーパー等)
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-
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I:双方向授業(ICT活用あり:クリッカー、タブレット、スマートフォン等)
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○
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J:講義のみ
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-
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K:その他
PCを活用した演習
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○
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授業における「ICTの活用」について
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授業形態
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対象
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A:ノートPC必携
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○
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B:講義資料や授業教材のオンライン配信
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○
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C:レポート課題等のオンライン提出
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○
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D:質問やレポート課題等へのフィードバックにおける学修管理システムの活用 (学修支援システム(Course Power)、Google Classroom、Teams等)
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○
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E:オンラインメディアの活用 (e-Learning、edX、Coursera、JMOOC等のOpen Educational Resources)
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○
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F:Zoom、Google Meet等のミーティングツールの活用
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○
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-
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予習 (事前学修)
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各授業
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・ 指示された事前課題や準備調査等を行い、指定の締切日まで提出する。
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[
35
]分
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復習 (事後学修)
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各授業
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・ 各回の授業で学んだ学修内容に関し、振り返りアンケートに回答する。 ・ 指示された課題を指定の締切日までに実施し提出する。 ・ 同時双方向及びオンデマンド授業時間内で達成できなかった課題を実施し、締切日までに提出する。
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[
35
]分
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成績評価
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評価項目
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評価項目の詳細内容
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割合
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課題提出(レポート)
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・ 各週の成果物(基本操作課題/情報分析課題)50% ・ ミニプロジェクトの提案(第6週/7週)30%
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80
%
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小テスト
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0
%
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試験
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0
%
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実習・学外学修活動
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0
%
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その他
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・ 各回の提出物(授業内容サマリ、グループワークのフィードバックコメントの提出など)への加点,グループワークへの貢献点など
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20
%
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授業計画
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授業回
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内容
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1.
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第1週【同時双方向】オリエンテーション、アプリ開発の基礎 授業の構成と課題提出や評価方法について確認する。授業全体のねらいとして、課題解決のための分析と論理的に施策を提案できることの意義を理解する。 初回授業では、一般業務で用いられるコンピュータで扱うデータ(数値、文章)を操作するアプリ開発を行うノーコード型のツール用いて、データの収集、加⼯、分割/統合を行うダッシュボードの作成を行う。
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2.
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第1週【オンデマンド】課題の特定と原因分析手法の理解 課題を特定しその解決のために行う原因分析の重要性と因果ネットワーク(WHYツリー)などの手法について理解する。
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3.
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第2週【同時双方向】因果ネットワークの作成 サンプルアプリの問題点を特定し、その原因分析を行った結果を因果ネットワーク等の図表で表現することを通じて、データ分析の進め方と仮説検証サイクルを学ぶ。
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4.
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第2週【オンデマンド】アプリ開発の手順と仕様書の理解 アプリを想定通りに開発するために必要な仕様書について理解し、不適切な仕様記述とアプリの不具合の関係を理解する。
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5.
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第3週【同時双方向】仕様書中の原因特定 サンプルアプリの問題点とその原因となっている仕様書中の記述を特定し、適切に修正する方法を検討することを通じて、AIをはじめとする高度情報技術(IT)を社会で活かす(実装する)ことの難しさを理解する。
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6.
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第3週【オンデマンド】業務アプリと業務フローの理解 業務アプリを使って、複数の作業を連携させた業務フローを定義できることを理解する。
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7.
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第4週【同時双方向】業務フロー中の作成 サンプルアプリで想定される業務フローを記述し、改善点を指摘し、改善後の業務フロー図を作成することで、アプリをビジネスや業務に組み込む方法を理解する。
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8.
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第4週【オンデマンド】目的の展開方法の理解 目的を達成するための手段を検討し、ゴールツリー(HOWツリー)の形で表現する方法を理解する。
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9.
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第5週【同時双方向】ゴールツリ作成作成 指定された目的に基づいてサンプルアプリを改善するために必要になる施策の構造を、ゴールツリー(HOWツリー)の図表で表現する。
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10.
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第5週【オンデマンド】サンプルアプリ改善の設計検討 ミニプロジェクトの課題について理解し、その実現のためのサンプルアプリ改善に必要な準備を各自で行う。
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11.
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第6週【同時双方向】ミニプロジェクト: アプリの改善 課題解決の応用力を身につける演習としてミニプロジェクトをグループワークで行う。これまでに学んだ課題分析、施策立案のスキルを用いて改善アプリを作成し、その改善の根拠を明確にする。
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12.
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第6週【オンデマンド】ミニプロジェクト: アプリの改善 前回講師より指摘されたコメントを踏まえ、改善アプリの担当部分について追加検討を行う。必要に応じて非同期での打合せを行い、次週の発表準備をする。
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13.
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第7週【同時双方向】ミニプロジェクト:発表と相互評価 作成した改善アプリについてグループ単位で発表を行う。発表に対して相互評価を行い、同じ題材を使った課題でどこまでできるかの気づきを得るとともに、各々が課題解決のスキルをどの程度身に付けられているのかを理解し、相互研鑽する。
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14.
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第7週【同時双方向&オンデマンド】ミニプロジェクト:発表と相互評価 相互評価の結果を共有するとともに講師からの評価を受けることで、各自の到達点と目標について確認する。なお、講評は発表の直後の時間帯で行うが、出席できない場合はオンデマンドで視聴することとする。
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留意事項
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① 副専攻(AI活用エキスパートコース)の修了を目指す学生が、本科目の履修を解除すると、修了要件を満たせなくなるため、コースを離脱することになるので注意すること。 ② 初回の同時双方向授業の受講およびその準備に必要な情報は、MUSCATの「講義連絡」で1週間前までに告知するので確認すること。 ③ 授業はオンデマンド授業と同時双方向授業の組み合わせで実施する。オンデマンド授業では、1コマ分に相当するビデオや資料の閲覧、演習課題への取り組みが指示されるので、各自のペースで任意の時間に実施すること。同時双方向授業では、学生間でのグループワークや教員からのフィードバックを実施するので、必ず指定された授業時間に出席すること。 ④ 通常は、前半が同時双方向授業、後半がオンデマンド授業となるが、最終週のみ例外で、2コマ連続で同時双方向授業となるので注意すること。もし2コマ目の同時双方向授業に参加が難しい場合は、担当教官に確認の上、2コマ目をオンデマンド授業としてで受講すること。 ⑤ 学修管理システムおよびミーティングツールとしてTeamsを利用するため、本学の「ICTを活用した授業支援ポータルサイト」などで利用方法を確認しておくこと。 ⑥ 受講と演習実施はPCの利用を前提とする。スマートフォンやタブレットのみの受講は不可。演習で使用するツールとしては、表計算ツール(Excel)、プレゼンテーションツール(PowerPoint)、Webブラウザ(Chrome)、PDFビューワ等がある。これらのツールは、授業までに使えるようにインストールしておくこと。 ⑦ 本科目では、同時双方向授業への出席、グループワーク参加、必須課題の期限内提出が揃ったことで出席と見なす。いずれかが欠けている場合は欠席として扱われる。正当な理由なしに3週以上欠席した場合、成績評価は「X(出席不足)」となる。 ⑧ 成績評価に関して詳しくは以下の説明を参照すること。 https://www.musashino-u.ac.jp/student-life/learning/results.html
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教科書 (購入必要)
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参考図書 (任意購入)
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その他 (配布教材等により購入不要)
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参考URL
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実務経験のある教員等による授業科目 (実践的教育を行う授業科目)
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実践的教育を行う授業科目の種別
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対象
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a.実務経験を有する担当教員による実践的な授業科目
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担当教員の実務経験(経歴・資格等)
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林浩一 2002年~2015年 ウルシステムズ株式会社 ITコンサルティング事業本部長。 2009年~2019年 ピースミール・テクノロジー株式会社代表取締役社長。 日経BP社主催の提案書作成セミナー講師、同社出版の雑誌記事、ロジカルシンキング書籍の執筆
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授業内容との関連性
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ITコンサルティング会社(上記2社)にて、様々な企業に対する事業提案とコンサルティングを実施。 社内外の技術者や研究者をコンサルタントとして活動できるようにするために、ロジカルシンキングに基づく提案スキルの研修と記事執筆を実施。 本授業で使用する現実の小売企業の売上データは、授業の趣旨に賛同してくれた上記ITコンサルティング会社出身者から特別に提供いただいている。 本出身者は上述の研修を受けた元技術者であり、コンサルティング経験を積んだ後、現在、上記小売企業のICT担当取締役。
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b.企業や自治体等、学外から実務経験を有する講師を招いて行う授業科目
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学外講師の経歴・資格等
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授業内容との関連性
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c.企業や自治体等との連携により、学外でのインターンシップや実習、研修を行う授業科目
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実習先・実習の目的
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備考
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